最近見た夢(7~8月)

 乏しい語彙・想像力しかない私のような人間には、チープなイメージの夢しか見ることがない。昨日見た夢も夢に出た原因の少なくとも3つを自分で特定することができた。

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 ウェブアプリを通して犯罪を4つやるごとにチケットを消化することができて、消化数によってバイト代の決まる闇商売に、教材のような達成感を感じながら小学生の自分は手を染めている。今回は単なるプールの掃除の仕事だったが、目を離した隙に黒い水が詰まって溢れている。潜って詰まりを解消しようとするほどに、黒い汚れが酷さを増していく。私はそれをごまかすことにした。子どもが通っているそのプールは、入り口から半地下に降りたところにある。1階にいる子供たちはカルト異民族のスパイたちで、掃除から離れた自分は身ぶりから一瞬だけ同胞と勘違いされるが、続く彼ら暗黙のノンバーバル・コミュニケーションがわからずいるうちに、カルト達はじきに攻撃的なサイン、知らない言語での指示の出しあいにうつる。自分は逃げ出す。貧しさから犯罪に手を染める自分の家はかつて、お手伝いのような者を出入りさせるほどの金銭の余裕があったらしい。(7/10)

 

 自分は100階を超えて見える超巨大な団地に住んでいる、そこの出口に投票所があって、Yという候補を比例で書き、それと地元の名士に投票したうえで、家を出てすぐに乗ることのできる海上電車に乗り、遠征する。帰ってくる頃には日も暮れて、投票時間も過ぎていた。朝投票してきてよかったが、どうも同日選挙のうち比例にYを書いたはいいが、選挙区で名前を書いていない気がした。まあいい。この巨大な建物には提灯をぶら下げた警吏がたくさん見回りをしていて、ルールをやぶったものにはどんな罰を与えるかわかったものじゃない。1階は建物の吹き抜けを含め、すべての床面積が土の広場となっているが、そこにはうじゃうじゃと人が群がって、なにやら人が四角く集まって、シュプレヒコールを上げている。四角いエリアを自分たちで決めて、そこに集まって、自分たちの声に酔いしれていて、外の暗さ、建造物の外の無法には気が付かないらしい。この時間になったら上の階の自部屋に帰れと警吏が棍棒で四角く集まった集団の縁に立っている人たちをぼこぼこ殴っているが、皆平気な顔をしている。死者が得てもしばらく彼らは平気な顔をしているだろう。ほら、あいつらを見ろよ、と同じタイミングでこっそり巨大建造物に戻ってきた男に話しかけれらた。あいつらの粗野な様子と言い、この建物と言い、東京にあったあの建物とはえらい違いじゃないか。これが同じ国だと思うか? どうやらこの男は俺と同じ建物へ用があったらしい。確かに、電車に揺られて行ったそのビルは、周囲の風景から1階から環境が違う、建物全体がもっと整然とした設計になっていた。
 1階の土から上に上がるには、ビルを2周する廊下を行かなければならないみたいだが、先の男へ「おい、ここのレンガの壁が越えることができて、そうすれば1週で済むぞ」といった。警吏が視界の遠くの角まで居ないことを息をひそめて確認して、(警吏が半周してそこの角を消える時を待つか? いや、今行こう!)と飛び超えた。そのあとは何事もなく4階のレストランに来た。この建物の者が皆ここで食事をとることができる。こっそりと人ごみに紛れて、外出した格好をごまかしながらテーブルを回る。老いた両親と病弱な弟(現実に私に弟はいない)のテーブルに出くわす。食べていけと両親に呼び止められる。トウモロコシにかじりつきながら話を聞いていると、弟は7月に退院ができないという。それは余命がそこまでという暗喩かもしれないが、まあ9月まで達者でいろよ、と私は軽く返した。私は次の朝にこの巨大な建物をまた旅立って、9月までは少なくとも帰らないつもりでいる。両親はいつでも帰ってこいという。その顔は、7月より前に帰って、頻繁に家に帰ることを期待している顔であって、次帰るのが9月だとは思いもよらない顔だった。(7/13)

 

 VR技術の進んだ時代、私は、ゴーグルにはリアルタイムの映像が(国中に設置された大量の無人のカメラから)合成表示されることで、地図上の様々な場所を行き来して日本中の人へ会いに行くサービス業をやっている。自動車道は分岐やカーブが多いので、長距離を行くときには、新幹線の礫道を猛スピードで歩いた。(7/19)

 

パズルの解き方について職場の上司と頭をひねる。(7/20)

 

 用水路沿いに立ち並ぶ高層ビルの側を歩いて養子先へ歩く。日本人の養子になるのを知っていて、老いた欧米人にすれちがいざま声をかけられ抱きかかえられ、うちに来いと言われたが、違う(私は引き取り先のない孤児ではない)、と返事をする。
 近くの公園でスプリンクラーの音と水を被った人の怒声か泣き声が聞こえる。綺麗な風景だから見に行かないかと言われる。自分は、あれはそんな綺麗なもんじゃない、雨水の再利用水をあなたはかぶりに行くことになる、とそれを留める。(7/21)

 

 親類のために大演説を大食堂のテーブルに上がって打つも、途中でスリランカ人のコックに話しかけられて中断し、テーブル自体前の方のそれへ上がり直す元の位置へ戻ろうとすると卒業式? が行われているのでやむなく床を這って講堂を出る。帰り際、サークルか何かの後輩に話しかけて、自分もその所属だったことを示す通行証を見せるも、借り物だったので彼に返してもらうことにした。握手をしていたら全く関係ない人が横から現れて、自分の会社の人であるようだったが、意味もなく彼へ握手をもとめた。(7/27)

 

 海際の部屋へ住んだ。失望したときに、その住居に知らなかった部屋を発見した。(8/6)

 

 私は水泳部を追い出されて自転車で放浪していた。お腹が減っていて、食堂で食べた後お盆をそのまま外に持ってきていて、会計が済んでいない。後から気づいたがいずれ問題沙汰になるから道路の隅に置いてまた逃げる。逃げ果てて暗くなりつつある国道沿い、チェーンのハンバーガー屋の幟を見て1畳ほどのプレハブ小屋、引き戸を開けると青空直販形式で250円で3種類、何個かずつ棚に置いてある。500円置いて貪り食っていると、見知った後輩がそのプレハブ小屋近くの狭い路側帯のような領域に集まり始めた。何しているのか聞かれたから、水泳部から逃げているんだと言った。辞めたのなら堂々としていればいいと返された。辞めさせてもらえると思っていなかったが、その通りだと思った。(8/7)

 

 私は迫害への報復として、車を次々に破壊した。いい奴のふりをしていたが、我慢の限界だった。何台もの車が次々に爆発する。ここまで大げさに爆発するとは思っていなかった。夢から覚めると、車の盗難防止のハザードが遠くに聞こえた。(8/8)

 「スポーツの就業時刻の記載が甘く、これは本国の基準に満たしません、お聞きくださいこの応援の歓声を!」太鼓が打ち鳴らされ、責める応援団の声が、ニュースのナレーター口調の電話口の後ろから聞こえてくる。その応援団の構成員で、同期が言っていた不満はこの事だったか。遠い東の地域からは私のいる西の地域がこう見えるのか。この声が録音音声を後ろで流したものであるにせよ、私を血祭りにあげる方へ世論を差し向けるラジオの強い意志は疑いようがない。
 このニュースで野球の投手としての生命が、実質的に絶たれることを予感する。元々二流の投手であるからそれはショックではない。そうではなくて、心から入れ込まなかった結果、時間を費やさなかったのだ、それゆえの二流の能力だというセンスに、度し難いものを感じる。
 そして無名な選手の動向などという下らない事柄であるにもかかわらず、本国では一度何者かへの非難が始まれば関係者を含めて、徹底的に追い詰めてやろうという心理が働く。じきに匿名の殺害予告が私の元へ届くだろう。
 体力の限界が来れば怪我せぬよう練習を切り上げて、そこで時間を切って座学の学問なりを行ってきたが、一体どうしてそのメモが間違っている根拠として評価され、時間いっぱいまでグラウンドにいたことにしておく慣例が正しくて、あるいは選手はその時間を浪費してでも定時刻までグラウンドにいなければならないのか。
 運動時間と負荷を決めるのは、監督の指示、天候、トレーニングメニュー次第であって、決まった時刻に席に座っていないといけない立場にあり、かつ万人にもそれを求めてしまう想像力の欠如した労働者ではない。部活が国民的事業であって、それは国民によって統制されうる??
 我は専守防衛主義者であるから、悪を誅する正義だと思い込んでいる愚かなジャーナリストに正対することができる。己の信念に命をかけざるを得ない立場にある私は、奴らの目を正面から永遠に覗き込むことができる。なぜなら彼らの瞳は真実の私を映しているのではなくて、彼らのナルシスティックな思い込みを映しているからである。彼らが世論の威を借りて攻撃してこようとも、彼らの目が私の拳に焦点が合うことはないから、逆に打ち倒すことは容易である。ある欧州の、叔父に虐待されてきて育った無名の若者の、10代で独立したきっかけになった叔父に対する言葉を思い出す。「殴ったら殺すぞ」。私を追い込んだもの自身には、相応の対価を支払ってもらう。それは私より弱いものへの怒りの転嫁とは本質的に違う。(8/14)

 

 傘職人の女は多様な模様を切り紙を閉じた傘に重ねていくことで、開いた時の美しい模様で価値ある芸術品として売ることを生業にしていた。筒を内側に押しつぶして切り込みを入れただけに見えて、開くと美しい幾何学模様が現れるので人気を博していた。ただ、彼女はその多彩な幾何学模様を、ある仲の良い女性数学者にが残した多くの数式をパターンとして、その組み合わせに頼っていた。自分とあの人の作品だとは思っても、そう言って私に残してくれたばかりがあの人の作品ではないのに、あの人はどこか遠くへ旅立ってしまった。あの人が少しでも浮かばれることが、この生業のやりがいであるが、あの人が世に忘れられて行くことが悔やまれるばかりである。
 女はある夜眠って、空を飛ぶ夢を見た。彼女とともに星空を飛んでいた。彼女は遠くにに行かないといけないという。彼女が彗星になって遠くへ落ちていくのを、空から目で追った。彼女と別れた女は暗い堀の世界へ行く。収集癖の酷く、いつか狂って死んだはずの老雇い主がそこにいた。失踪の数年前から意味のある言葉をもはや発せず、今黄泉の国の住人かあるいはゾンビとして現れた老人には恐怖しかなかったが、彼からは、数式を集めねばならぬという呻き声がかろうじて聞き取ることができた。老人は女数学者が残して散逸していた数式を集めることをライフワークにしていた。老人が言った全数は、ここにあるものと私の脳に刻まれた美しい数式で全てであるようである。女は死者の地を飛び去って、もう会うことのない女数学者との思い出に浸りながら、オーロラの出る星空の下を飛んで行った。
(老人の後ろには、女数学者によく似た雪女が俯いて無言で暗く立っていた)
(8/20)