CAVES OF QUD の紹介

はじめに

この記事は、Roguelike Advent Calendar 2018 - Adventarの4日目の記事として作成しました。

 

今年の中ごろ、FTLやMoonlighterのようなゲームがシレンをやっていた人がそのノリで最近のローグライクは楽しいよ、という紹介がされていることに気が付いて、どんなゲームがあるんだろうと、フリーからコンシューマーから、7drlだとか不思議シリーズだとかsteamゲーだとかいろいろ調べることがありました。

そのあと、Turn-basedの、Ascii-basedか縦長タイルのRoguelikeゲームをやりたくなって、CAVES OF QUDが気に入って買ってプレーしたので、紹介したいと思います。

 

※ 日本語の記事はあまりなかったので、本記事を読めばひとまずプレーができることを目指しました。目指したはいいものの、結局ぐっちゃぐちゃの長文で申し訳ないです。英語に強いかたは以下の英語版wikiのビギナーズガイドだけを読んで、いきなり始められたほうがよいと思います。

cavesofqud.fandom.com

  また、完全ではないですがこれの翻訳もしたので、そちらもどうぞ。 

p31x.hateblo.jp

世界観

 ポストアポカリプス、文明の滅んだあとの世界が舞台であり、大きな人類の都市がなく、国もありません。人間や動植物のバケモノたちは徒党を組んでいて、喋ったり遺伝子変異による能力を使って骨肉の争いを繰り広げています。

プレーヤーはまずJoppaという町へ繰り出して、そこからQudの世界を、洞窟に潜り、クエストを受け、噂や失われた史跡の記録を集め、旅をします。

 

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この広域地図と個別の地図を行き来する。angband的。

文明がないので水をお金の単位にした物々交換を行うのですが、プレーヤーのEgo能力値が低いと交換が不利になるなど、面白いです。(金・銀・銅の交換レートは一定ですが。)

 

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caves of qudでは純水が通貨になっている

徒党を組んでいるクリーチャーたちの派閥は、同じ科(?)に属する生物たちや、熱狂的な宗教の信者たちなど、さまざまです。プレーヤーとの間で友好関係を結んだり、敵対関係になったりすることで、洞窟や地上の冒険の難易度が大きく変わってしまいます。方法としては、村人のクエストを完遂したり、伝説級の名前つきの強い敵を倒してそいつが敵対していた派閥からは逆に評判がよくなったりする、などなど。十分な評判があれば、彼らの派閥から固有の名前を持つユニークキャラクターに話しかけて、仲間にして共に冒険することもできます。

 

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hack'n'slash的にプレーしていても、ledendary級の強敵を倒したり村でquestを受けたりするなどして、友好的になる派閥がいる。

 

プレーヤーは遺伝子の突然変異を持ってスタートするか、普通の人間だけどサイバネティクス(サイボーグ的な)でスタートするかを選べます。ミュータントとしてプレーをすると、プレーヤーは2個の頭を持っていたり、炎や氷を生み出すことができたり、両生類のような皮膚をしていたり、敵に憑依してコントロールしたりと、プレースタイルが劇的に変わるようなユニークな能力を使いこなしていくことになります。

 

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例えば千里眼は、壁の向こうへ他のエスパー系ミュータント能力で攻撃をするためにとても有用。

キー操作とオプション

 プレー開始後いつでもF1キーを押すと、「最初にやる10のこと」が書いてあります。これと能力まわりの意味を押さえて、フレーバーテキストじゃない部分、アイテムの説明などをちゃんと読むように注意するとよいと思います。以下はそのだいたいの翻訳です。

  1. ESCキー→kキーで、キーマップを見て、必要に応じてキーセットを変えよう。
  2. 発動型の能力は、aキーで能力のビューを開いて、キーバインドを設定しよう。
  3. xキーでキャラクターシート、iキーでインベントリ、eキーで装備、qキーでクエスト、kキーでtinker(※アイテムの生成や能力付与の能力)のメニュー、pキーでスキルと能力のメニューを開こう。これらのメニューはテンキーの7と9で互いに切り替えられる。
  4. lキーで周囲のものを見よう。名前や見た目、残り体力の目安、装備、戦ったときの勝つ見込みの目安、プレーヤーとの敵対関係がわかる。
  5. スペースキーでほとんどのものとのやり取りができる。ドアを開けたり、しゃべったり。
  6. Altキーを押して、マップ上の追加的な情報を見よう。敵は赤、アイテムは白などで表示される。
  7. *キーでサイドバーの表示方法を切り替えたり、/キーを押してサイドバーの表示・非表示を切り替えよう。
  8. よく使うキー操作に慣れよう。たとえば、>キーは階段を下りる(※)など。ESCキー→kキーで、キーマップを見て、気に入らないならEnterキーで選択したコマンドを、別のキーに割り当てよう。
  9. 武器・防具のスタッツに慣れよう。例えば→4 ♥1d4 という武器は、→が武器の最大貫通力で、数字が大きいほど敵の防具を貫通してダメージを与えやすい。♥のあとの数字は、♥1d4 の場合、1~4の数字のついたサイコロを転がして出た数字を攻撃したときのダメージの大きさとすることを意味する。
  10. 最初プレーヤーがいるマップの右下に、テントを構えている生き物がいる。彼は人間じゃないが商人であり、物々交換や水との交換に臨んでくれる。必要なアイテムがないか確認しよう。

※ >キーは、階段を下りるだけでなく、広域マップから通常マップへ移行する、階段のある位置を知っていたらそこまで移動する、という機能もあります。慣れるのは少しかかるが、覚えるべきキー操作は少ないと思います。発動型の能力はぜひキーバインドを設定、0キーは敵に会うまで自動探索をする、ctrl + space は、周囲の物体を指定してインタラクションを行える、といった機能も必携です。

 

ビルド

どんな能力値の割り振りをしても工夫をすれば進められるようになっているゲームですが、最初に設定する職業(あるいはカーストや能力値設定、初期装備の変異能力(あるいはサイバネティクス)により、レベルが上がるにつれて割り振ることが望ましいスキルや能力値の方針はたいてい限られてきます。

まずは、初期能力値の割り振りポイントが多めで死にづらいので、True Kin(ミュータントじゃない真人間)でのプレーが推奨されています。Child of Deepのような頑丈さにボーナスのあるカーストを選んで、Toughnessに多めに割り振っておけば、いきなりスナップジョ―のような雑魚敵と闘ってもなんとかなります。最初に行くダンジョンの最深層、地下4階まで行く頃には、武器に紐づくスキルにポイントを割り振って、キーバインドを設定してみるとよいと思います。自分の場合、初期装備のサイバネティクスは、強敵からダッシュで逃げ切るために、+6 movespeedになるHyper-Elastic Ankle Tendonsをよくつけていました。Night Visionもマップ移動に気を遣えば暗闇で敵に鉢合わせないので洞窟内ではかなり強いです。

ミュータントは、ミュータント能力の初期ポイントを割り振って、物理系能力(キメラ能力)と精神系能力(エスパー能力)を手に入れて冒険をします。途中からさらに能力を獲得することもできて、True Kinがサイバネティクスにより得られる能力よりも、最終的にはずっと強くなるポテンシャルがあります。

エスパー系突然変異しか使えないミュータントは序盤非常に慎重にプレーする必要がありますが、非常に強いです。ほとんどのエスパー能力のレベルがEgoという能力値に比例して上昇(具体的には、)するので、一度育ってしまえば数ターンごとに強力な能力を使い続けることができてしまいます。以下のsteamコミュニティーのガイドでは純粋エスパービルドの、特に一押しの能力を選んだビルドのコードを紹介しています。(→BAEEMMMUABDCDHDJDL;こいつをプレー開始時に入力すると、キャラクターシートを選択した状態ですぐにプレーを始められる。)

 

steamcommunity.com

 

 

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スキルツリーは、Callingsやプレースタイル、持っているアイテムとの兼ね合いで選ぶのが重要。

 

 

 

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キャラクターシートの上部には6つの能力値と、かっこ書きで修正値が書いてある。エスパービルドでやるなら、Egoの修正値が重要になる。

 

強い敵

 Jotunなどダンジョン・階層固定のユニーク敵やSlumberlingやMadpoleのような初見殺しなどには注意が必要ですが、他のたいていの強敵も、装備や近づき方などアプローチの工夫でこうした強い敵も運ゲーにならずに倒せます。

Turret:chain gunやrocketを無限に撃ってくる固定砲台は、近づくと遠い時より弾が当たりまくってダメージが甚大なので、開けた場所で無理に近づかないようにしたい。

Crab:蟹には何種類かいるが、総じて固いのでプレーヤ―は武器の貫通力を確認したい。 Chute Crabは素早いので、着地硬直して囲まれないように。中盤以降も、RhinoxやGreat Magma Crabも怖い。

Phase Spider:毒攻撃が強い。こいつの傍で蜘蛛の巣ひっかからないようにしたい。プレーヤーもphase状態だと攻撃できるらしいが、試したことがない…

Goatfolk:殴り合いをすることになるなら、プレーヤー側で防具を固めないと、2頭相手にするのも難しい。マップのエリアに入る前に、対策を。

Knight Templer:ミュータントで始めると絶対的に敵対してくる。猛追してくるので、プレーの序盤なら見えた瞬間ダッシュでマップから逃げ去ること!

 

おわりに

プレイヤーの能力まわりやアイテムについてはしっかり確認しないといけないですが、やれることの多さはすぐ体感できると思います。

最近では隔週くらいの頻度でアップデートがあり、少し大きなアップデートが入ると、過去のデータが使えなくことがある点は注意が必要です。そのときは、バージョンを戻すとプレーを継続できます。Steamで公開されている(本体のアップデートで使えなくなったりするらしい)MODはまだ試したことがないので、今後試してみたいと思います。 

 

 自分はRoguelikeのコードを読み書きするリテラシーがなく、そもそもRoguelikeに詳しくなく、学生のとき一番やっていたjnethackやArkaLunaticでアセンションしたこともないですけど、例年記事を書かれている方々、ゲームの終盤までプレーを続けられる戦略を練れる人、あるいはそれに留まらず自分で作ってしまう人は本当に凄いなと思っています。

ローグライクゲームのひとりのファンとして、自分にできることはこれくらいしかありませんが、1人でもそんなゲームもあるのね、というくらいにでも認知されるなら、書いた甲斐があります。ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。

 

カレンダー5日目は wa_kun さんの「いまどきのデスペナ」です。

 

 

 

付録:その他TIPS

以下、章立てしきれなかった攻略情報を列挙します。
  • 一番上にも紹介した通り、Beginner's Guide和訳もどうぞ。

CAVES OF QUD の紹介 - p31xの日記

  • Cybernetics の記事も作りました。

p31x.hateblo.jp

 

  • 序盤の動き:最初はJoppa内で受けられるクエストのうち、Joppaの画面の左下の家に居るArgyveにArtifactを2個渡し(折り畳み椅子や使わない手榴弾など)、さらにRustwellsという広域マップでJoppaの東にある洞窟から200フィートの銅線を持って帰りArgyveに渡し、Mehmetから受けたクエストのRed rockでWatervineを食い荒らしていたモンスターを突き止めて死骸を村長に渡し、それから(Rusted Archwayを経由しつつ)Six Day StiltかGrid Gateに行くのがおすすめ。Joppaの町マップの右上に見える像をlookすると「○○を訪れよう/探そう」というクエストが追加され、広域マップでSultanが表示されるようになる。Sultanのダンジョンはランダムなダンジョンで、ときどき強い派閥の敵が徒党を組んでいて、太刀打ちができなかったりするので、逃げ延びるに十分なアイテムや能力値になってから向かうと事故が減らせると思う。Sultanは最下層か最下層の一つ上の階層まで到達すれば、強力なアーティファクトを手に入れることも可能である。
  • アイテムがいっぱいになったら、水より重さ当たりの価値の低いアイテムを捨てよう(水は1の重さで4の価値がある)。dagger以外のいらない武器や余分な弓、鎧以外の重さのわりに弱い防具などは特に拾わなくてよい。ただし、大量の銃が手に入るなどしたら、あとででもtinker能力で分解することを見込んでおきたい。
  • 病気を治すにはCorpus Choliysという本を参照する。GolgothaでかかるGlotrotという病気は、燃える水筒に(ゲームごとに異なる)3種類の液体を1:1:3で入れて飲むことで治せる。Ironshankやキノコの寄生も、この本の説明を読むと直す方法が見つかる。Joppaから大域マップで右へ10数マス、山を越えた向こうにあるKyakukyaという町の町長が、この本を必ず持っている。
  • Joppaでスタートする場合、扉を閉めて部屋内の宝箱を物色すると、アイテムが手に入ってプレーし始めやすい。初期アイテム・初期能力の低い職業で始める際は、いいアイテムが出るまでやり直すのも手。
  • Joppaの町の画面左上の6マスくらいの池の上を通ると、地下へゆく亀裂を見つけることができる。Red rockとJoppaはそれぞれの地下4階の地下水路、Waterlogged Tunnelででつながっており、その道中、鉱夫の遺品のヘルメットなどが手に入る。両手の空く広範囲の光源が確定で手に入るので、両手武器のプレーヤーなどでは重宝すると思う。伝説級の敵がよく出るので、少しレベルが上がってから制覇したい。ただしFloating glowsphereや光源範囲が1マス広いElectric Bowなどが手に入っていたら不要。
  • 像やpainted/engravedのアイテムは積極的にlookしておくと、噂と引き換えに友好値を高めるための材料になる。
  • 電撃攻撃や流れ弾で友好的だが強い派閥と敵対関係になってしまうことがあるので、武器の取り扱いには注意。
  • sparking baetylsはGrid Gateの入り口周辺8マスの地下~20階やBethesda Susaの地下に多く登場するのでそれぞれ話しかけてみて、簡単に集められそうなアイテムを要求されたら、書き留めておくとよい。
  • freezing状態になっても、アイテムや変異は使用可能なので、blaze injectorや爆弾などで切り抜けることができる。耐冷はダンジョンとしてはBethesda susaだけが対策が必要だが、道中拾うエラスチン素材の防具などで事足りる。